■プロローグ |
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私は東京在住の西園寺真理。ちょっと変わった16歳。 明日は私の誕生日。と言っても、だれも祝ってくれそうにない・・・ まぁいいや。こうなったら自分で自分を祝ってやるわ! 大好きなお洋服でちょっと遠くのアクセサリー屋にいざ出陣よ! |
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このお店、来るたびに珍しいものが入荷されていて、扉をあけるとそこはいつも新鮮な世界。 でも、珍しいーとかおもしろーいと思うだけで、食指は動かない。 だがしかし!今回は違った。棚の上に無造作に置かれた燻し銀の色をした指輪。 デザインは至って普通なんだけど、不思議なオーラみたいなものを感じる。 そう、指輪が語りかけて来るの! これは本来私が持たなくてはいけないもの!! そう、元々私のものよ!!! と、脳内神の啓示を受けて、お財布と値札を見比べる。 。。。こりゃ高いわ。 でも欲しいな〜欲しいな〜 きっと私の手にぴったりなんだけどなぁ。 と。 眺めるだけをやめて指輪を手に取り、薬指にそっとはめて見る。 目の前が一転し、辺りは暗闇に包まれた。 |
■新天地 |
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どれぐらい時間が経ったかわからない。 うつ伏せに倒れている自分を確認し、上半身だけ起き上がる。 頭痛ーい。 まだはっきりしない意識で辺りを見回す。 空気が湿っている。とても広い場所にいる。土壁?水音?土管? いま分かるのはここが先程の店ではなく、違う場所なのだと。 。。。 時間がたつにつれ、心臓の鼓動が激しくなって来るのが自分で分かる。 ここはどこ?どうしたらいいの?なにがどーなってるの? 暫く考えた後、叫んでみた。 責任者でてこーい! 第一声は、何回も木霊した。 |
■騎士との遭遇 |
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しばらくその場で様子をみていたけど、聞こえるのは微かな水音だけ。 何もイベントが起きないことにだんだん腹が立ってきた。仕方ないので、立ち上がろうとしたその時。 目の前に、鎧が浮いていた。 何これ。もしやあの店の新製品展示場? じろじろと宙に浮く鎧を見ていると、声をかけられた。そう、鎧に。 |
「まさか、、、マリアンか!?」 「そうだ、間違いない!随分と待ったぞ。転生しそこねていたのか?」 「まぁいい。また私が必要になったのだな。さぁ行こう!」 まくし立てられ呆然としてしまった。これほど意味の分からない話は聞いたことがない。 「何言ってるか分からないんだけど、あんた誰?」 今度は騎士をが呆然とする番だった。 |
■昔話から現実へ |
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騎士曰く、私はマリアンという人物にそっくりらしい。 彼女は特殊な指輪を身につけ、強力な力をふるっていた。 今、薬指にはめている物が、彼女の指輪と同じ物だそうだ。 こんなのどこにでもある指輪なんだけど・・。騎士が言うところ、マリアンしか身につけられない指輪だそうだ。 色々聞いた結果、この国は色々と問題をかかえていて、騎士はマリアンの帰りを待っていたそうだ。 どうも丸め込まれているような気がするけど、まぁいっか。 このままだと、らちがあかないし。 深く考えるのは止めにして、騎士を連れて行くことにした。 「じゃぁいきましょうか!」 |